考土 code -奄美-
Mikke Galleryでは2025年6⽉27⽇(⾦) から7⽉14⽇(⽉) まで、Mikkeキュレーターズ・コンペティション受賞者展の第五弾として、「銀座もとじ」⼆代⽬店主・泉⼆啓太⽒をキュレーターに迎えた展覧会「考⼟ code -奄美- 」を開催いたします。
銀座もとじは1979年の創業以来、⽇本各地の染織作家や⼯房、産地とともに、着物⽂化の美と精神を現代に伝えてきました。
泉⼆啓太⽒は、染織の可能性を広げ、未来へとつなぐことを⽬的に2022年に⽴ち上げたプロジェクト「HIRAKIproject(ヒラキ・プロジェクト)」、「FUYU」、「泥中の布(でいちゅうのぎん)」を開催するなど、これまでの活動の中で、⾃然が育んだ⼟地の記憶と向き合い、固定概念にとらわれず、柔軟に伝統に対峙してきました。
本展では泉⼆啓太⽒がキュレーターとなり、6組のアーティストによる新作を通して、奄美の⾃然と⼈、そして染織の未来を多⾓的に捉えることを試みます。
「考⼟(こうど)」というテーマには、奄美という地を起点に、⼈々が暮らしてきた⼟地に宿る記憶や、そこに根ざした素材、技法、価値観に改めて向き合うという視点が込められています。アーティストたちはそれぞれの感性で奄美の⾃然や⽂化を掘り下げながら、他の⼟地にも通じる普遍的な問いを投げかけます。⼟地の「コード(code)」を読み解き、編み直すことで、過去と未来、個と地域、伝統と創造のあいだに新たな接点を⾒出すことを⽬指します。
会期中はトークイベントやワークショップなど様々なイベントを開催します。
皆様のご来場を⼼よりお待ち申し上げます。
「考土 code -奄美- 」
会期:2025年6月27日(金) - 7月14日(月) ※火水休廊
アーティスト:金井志人、新城大地郎、高須賀活良、柳晋哉、山崎広樹、山﨑萌子(50音順)
キュレータ−:泉二啓太
オープニングレセプション:2025年6月27日(金) 18:00-20:00
主催:Mikke(一般社団法人Open Art Lab)
協力:鏑木由多加、山際悠輔、愛川翼(有限会社 愛健工業)、幸賢一(有限会社 政建設)、株式会社銀座もとじ、株式会社TODOROKI
グラフィックデザイン:橋詰冬樹
写真:三井竜太(ヱビス製作室)
展示構成:村山圭
※お祝花はご遠慮させていただいております。
Curator’s Message
地を知ることは、その土地の記憶を辿ることでもある。
産業革命以降、人々の暮らしは豊かになってきた一方で、産業がもたらす物流によって、地域性(ヴァナキュラー)や風土特有の素材の価値が薄れ、代替可能なマテリアルが日常に広がってきている。
大地を掘り、その土をみつめることは土着的な素材の豊かさを再発見・再解釈することに繋がるのではないか。これが活動としての”考土”が目指す指針となった。
今回の展示では、奄美大島という琉球と大和の文化が混合する亜熱帯特有の環境に着目した。島の総面積の約80%が山地で占められている奄美、世界的にみれば乾燥地域が大半を占める緯度に位置していながら、年間降水量が約3,000mmもあることで「亜熱帯雨林」の森が形成されている。その地が産みだす糖は黒糖焼酎となり、大地がもつ泥は紬となり、奄美の二大産業となった。
かつて奄美では上質な泥を意味する”ジョウミチャ”と呼ばれる泥田が存在し、泥で髪を洗う風習があった。特別な場ゆえ、自分だけのものとして秘匿していたが近代になるにつれ、”ジョウミチャ”のもつ価値を求め、化粧品として島の生産物として消費され、いつの日か失われていく素材となっていった。
今回、2年の歳月をかけて奄美の大地を探っていくなかで、新たな”ジョウミチャ”とでくわすことができた。かつてのような消費されてしまったマテリアルとしての流用ではなく、奄美の大地の財産として、未来へ伝え、継承していく一躍を担うことができないかと思い、出展作家の協力のもとに展示作品の一部として表現した。
一方、奄美の工芸としてはテーチギと泥で染めを100回ほど重ねることで色に深みが増し、「漆黒」という大島の染めの独特の価値を生み出す。
今回はテーチギに限らず、奄美の大地に自生する違った草木に焦点を当ててみた。月桃、椎木、ヒカゲヘゴ、福木と泥を染め重ねていく試みにより、泥染の色味がまた違った広がりへと色が現れた。
土着的生産物の根底にある、土。
大地という芳醇な価値と向き合うことは今までの文化や産業の礎を尊重しつつも、新たな捉え方を生み出すきっかけがみえはじめるのではないか。
「考土(こうど)」とは、その地のなりたちを考えることであり、「code(コード)」とは、その地の素材や要素を現代的に紐解くことである。
自然の化学がここにある。
本展キュレーター 泉二啓太
―2023年、奄美大島に滞在した山﨑は、島の自然や祭事、人々の暮らしに触れながら、土地に息づく文化や風土への理解を深めていった。本作では、島で撮影した写真を、泥染めを施した手漉きの芭蕉紙に印刷している―
In this exhibition, we welcome Keita Motoji, the second-generation owner of Ginza Motoji, as curator. Through the works of six artists, the exhibition explores the nature and people of Amami, as well as the future of dyeing and weaving, from multifaceted perspectives.
The theme, Kōdo (考土), embodies a perspective that revisits the memories embedded in the land where people have lived—beginning with Amami—and reflects on the materials, techniques, and values rooted in place. Each artist delves into the nature and culture of Amami through their own sensibility, while raising universal questions that transcend the region. By decoding and reweaving the “code” of the land, the exhibition seeks to discover new points of contact between past and future, individual and community, tradition and innovation.
A variety of programs, including talks and workshops, will be held throughout the exhibition period.
We look forward to welcoming you.
— In 2023, during her stay on Amami Ōshima, Yamazaki deepened her understanding of the island’s culture and climate through encounters with its natural environment, rituals, and the daily lives of its people. In this work, photographs taken on the island are printed on handmade banana fiber paper, mud-dyed. ―

























